こんにちは！日野市の職員Mです！

福祉の仕事について、仕事のハードさが話題になることが多く、ブラックな業界だと誤解されることもあると思います。
でも、実際に福祉業界で働いている方達の話を聞いてみると、「いい仕事だ！」と熱く語る方もいるんです。

今回は日野市内で誰よりも福祉という仕事を楽しんでいる、なごみ在宅介護サービス日野の天沼暢浩さんにお話を伺いました。

占いがきっかけ？

現在では、市内で主に障害者の相談支援や移動支援をしている天沼さんですが、
実は、この仕事をするまでは福祉とは全く無縁で、占いをきっかけにこの仕事をするようになりました。

「もともとはワーキングホリデーで行ったオーストラリアの旅行代理店で働いていたんです。ツアーコーディネーターの仕事をしていたのですが、色々あって働き続けることが難しくなったんです。　
そこで、当時よく当たると言われていた占いに行きました。
そこで、占い師に『あなたはボクサーか介護が向いていると思う。チャンピオンベルトが見える…！』と言われました。ボクサーは目が良くないとできないと思い、介護分野に就いたんです。」

福祉とは無縁だった

その後、介護福祉の仕事を経て、今の障害福祉の仕事をスタートしました。
介護福祉の仕事をしていた時に障害者の方と関わることはありましたが、本格的に関わったことはなかったので、最初は戸惑いや偏見があったようです。
「障害のある方の相談支援は初めてで、何をどうして良いか分かりませんでした。
特に障害者の方と外出する時には、正直何をするか分からないから怖いなと思っていました。
私は、利用者さんのことを“障害者=大変な人”と一括りに考え、一個人として向き合えていなかったんだと思います。」

利用者さんに寄り添っていきたい

天沼さんは次第に、仕事の楽しさややりがいを感じるようになったと言います。
「なかなか一人では外出することができない利用者さんが、出掛けた先で楽しそうにしていると私もとても嬉しく感じます。
例えば、利用者さんと本屋に行って、マンガを買いに行ったことがありました。利用者さんは読みたいマンガを手にして、やっと買えた！早く読みたい！と喜んでくれました。
私たちが当たり前に行動していることが、彼らにとっては、当たり前にはできないことなので、些細なことで喜んでくれるんです。そういった小さな幸せをたくさん感じられるようになりました。
また、最初は気難しかった方が次第に、関係が打ち解けて気さくに話してくれるようになったり、屈託ない笑顔を見せてくれるようになると嬉しいです。困っている人の手助けをする仕事だからこその喜びかもしれません。こんなに喜んでもらえて、楽しくてやりがいのある仕事って、そうそうない。みんなもやればいいのにね。」

楽しく働くこと

「働けるうちに働かないと今後後悔すると思うんです。今ならまだ体が動くけど、10年後、20年後を考えると、今のようには動けないだろうなと思います。
人生を振り返った時にやっぱり自分の人生は楽しかったと思いたい。1日のうち多くの時間は仕事しているので、せっかくなら楽しく仕事をしないともったいないと思うようになってから、仕事に対するストレスはほとんどなく、どんな仕事でも楽しいと思えるようになったんです。
楽しく働いていれば、周りの人も「福祉の仕事って楽しいのかな？やってみようかな？」と思うようになるんじゃないかと感じます。」

今尽力していること

「福祉は大変というイメージはあると思うけれど、楽しい仕事ということも多くの人に知ってほしいです。
今は日野市独自の移動支援従事者事業で福祉人材育成のために大学生等にアルバイトとして働いてもらっています。資格を取得して、学生のうちに福祉に携わってもらうことで、就職の時に福祉業界を視野に入れてもらったり、日野市の福祉関係の企業に就職してもらえたらいいなと思っています。福祉関係の仕事に就職しなかったとしても、いつかこの経験を思い出して、日野市のことを思い出したり、どこかで福祉に関わってもらえたら何よりです。」

福祉関係の仕事のリアルを知らないことで偏見や先入観にとらわれ、就職先として考えない方もいるそうです。
しかし、誰一人取り残さない社会の実現のためには、福祉の充実は欠かせません。
誰にとっても、福祉が身近に感じられ、今のような偏見が少しでもなくなっていることを願います。
未来には福祉＝楽しいという花が咲いていますように。