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地域をゆるやかにつなぐ、商店街の暇そうなオヤジになりたい。

こんにちは!日野市の職員Mです!
日野市と多摩市にまたがる百草団地。丘陵地で緑も多く閑静な住環境ですが、ここ数年で住民の生活は大きく変化しています。
最近、住民の食生活を支えてきた団地内のスーパーが閉店してしまい、住民は買い物難民状態に。住民の高齢化率は6割以上…。買い物難民どころか、住民は外出の機会まで少なくなり、団地内に住んでいる方同士の交流も減っているようです。

そんな中、最近、百草団地に新しい風が吹き始めています。
今回は、2024年6月に百草団地商店街に自身のお店をオープンさせたfutollante(フトランテ)の小谷野 大樹(こやの ひろき) さんにお話をお伺いしに行きました。


百草団地商店街はジモト

百草団地商店街には、お肉屋、お寿司屋、ビール醸造所などがある中、ひと際、団地には似合わない、外装がおしゃれすぎるお店を見つけました。

奥にはビールサーバーも🍺

お食事メニューには「あとはだいたいローソンに売っています。」
なんともすがすがしい…(笑)
お店の案内を矢印で示しているのもユニークですね!

店主の小谷野さんは今年6月にお店をオープンさせましたが、これまでどのようなご経験をされてきたのでしょうか。

「私は、約20年間ずっと郵便局員として働いてきました。郵便局では、郵便物の配達や集荷を担当する部署にいたんです。
仕事をしているときに、ふと周りの上司や先輩を見て、このまま郵便局員として働き続けるのはなんか違うな…と思いました。
40歳になり、これからの人生を考えた時に、郵便局員だけの人生だけではなく、自分がこれからやっていきたいと思うことを仕事にするのもいいかなと思ったんです。」

起業したきっかけはダイエット

小谷野さんは郵便局員時代に、約250人のマネジメントをしていたそうです。その時によく部下のマネジメントに悩むことが多かったと言います。

「部下のマネジメントに悩んだときに、突然、「自分のマネジメントはうまくできるのか?」という問いが自分の中で出てきて、それでダイエットを始めたんです。(笑)
確かに太っていましたが、ダイエットのきっかけはその問いが出てきたから。(笑)16時間断食ダイエットもやったなあ…。

ダイエット中に、同僚から沖縄のお土産として、アンダカシー(※)というお菓子をもらったんです。パッケージ裏の製品表示ラベルを見たら、糖質ゼロだけではなく、たんぱく質も多く含まれているので、これはダイエットにいいなと思いました。
食べているうちに、自分でも簡単に作れそうだと思い、作り始めたことが今の仕事に繋がります。(笑)
ただ、アンダカシ-をつくるのには豚の皮が必要で、それを仕入れることや、自分の求めているような味や食感にするために時間を要しましたね。

※アンダカシー…豚の皮をラードで揚げた沖縄の伝統のおやつで、
カリカリでふわっと消える食感。
せっかくなので、ダイエットのビフォーアフターをご提供いただきました(笑)


頼れる人がここにはたくさんいるから

店主の小谷野さんに、なぜ百草団地商店街にご自身のお店を出店したのかお伺いしました。

「今もこのあたりに住んでいますが、自分がもともと生まれ育ったところも百草なんです。なので、小さい頃からここにはよく遊びに来ていました。
昔は子どもたちも多く遊びに来る場所で、今とは比べ物にならないくらい、とても賑わっていました。
会社員時代は百草から離れていましたが、久しぶりに百草に帰ってきたら、見慣れた店舗のシャッターも閉まっているし、とても悲しくなりましたね。

だから、自分が百草団地商店街を盛り上げたい!と思ったのではなく(笑)。久しぶりに商店街に戻ってきたときに、小さい頃に利用していた焼き鳥屋のおじさん(今ではおじいちゃんですけど)、自分のことを覚えてくれていたんです。他のお店の方も、自分のことを覚えてくれていて…。これから活動していくにあたって、頼れる人がたくさんいる、ってすごくいい環境なんじゃないか、と思って、百草団地商店街を選びました。」

futollante前の焼き鳥屋
小谷野さんのおすすめはレバー!

目指すところは「商店街の暇そうなオヤジ」

最後に、小谷野さんに、今後百草団地商店街でどんな存在になりたいですか、という質問をしたところ、「商店街の暇そうなオヤジになりたいんすよね…」とまたもユニークな回答がありました。

今はお店が百草にできて嬉しいと言ってくださる方が多いんですけど、これからは、みんなの日常になりたい。それが目標かなあ。このお店がみんなの当たり前の場所になったらいいなと思っています。

あと、個人的には商店街の暇そうなオヤジになりたいんすよね…。
毎朝ここに座って、コーヒー飲んでスマホいじっていて、みんなに心配されながら、なんだかんだみんな立ち寄ってくれる感じ。
この近くに住んでいる若者が就職等で都心に出てしまっても、こっちに戻ってきたときにまだあのオヤジいたんだ、なんか安心するなと思ってもらえるような場所を作りたいんです。

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最後までご覧いただきありがとうございます☺
百草団地はシャッターが閉まっている店舗も多くありましたが、
「ひさしぶりー。」「今日はどうしたー?」「これ内緒だけど、持っていって」といった商店街ならではの会話があちらこちらから聞こえました。
百草団地商店街はどこか懐かしく、昔ながらの人同士のつながりを大事にしているようでした。
今後も、百草団地商店街がユーモアに溢れ、みんながのんびり過ごしたくなるような空間であってほしいですね。