日野市職員”居場所”をツクル!
こんにちは! 日野市の職員Yです !
サードプレイス=居場所
ここ数年でよく耳にするようになったと思いませんか?
セーフティネットコールセンターでは、たくさんの人に関わっていただきながら「居場所づくり」を進めています。
そもそも「居場所」って何だろう?
その前に、まずは私たちの紹介を・・・
私はセーフティネットコールセンターという部署に勤めています。
セーフティネットコールセンターは、いわゆる“コールセンター”ではなく、生活にお困りの方やひとり親の方、ひきこもり支援、被害者支援、そのほか様々な困り事を抱えた方が電話だったり、直接窓口に来て相談される「福祉の初期総合相談窓口」です。その中で、私はひきこもり支援の担当をしています。
ひきこもりってどんなイメージですか?
私は正直、ひきこもりというと、暗い部屋でPCに向かっている人間嫌いな人のイメージがありました。
ところが実際に窓口に立ってみると、身体を鍛えるのが大好きな方、おしゃれ好きな方、おしゃべり好きな方・・・。ほんとうに様々な方がひきこもりの相談に来られるのです。
ひきこもる原因は人により様々ですが、外の世界から自分の生命を守らなければならなかった時に「ひきこもり状態」は始まり、そこから抜け出すことが難しくなってしまっている状態です。つまり、なにか特別な特徴を持った人がひきこもりになるのではなく、誰にでも起こり得る問題なんだということが感じられました。
日野市では、ひきこもりから脱したいと思っている方のために、
① 個別相談、②セミナー、そして③居場所づくりをしています。
どれも大切で欠かせないのですが、…実は私には夢があります。
「居場所」を足場に外の世界に足を踏み出し、失敗したり、疲れたり、危険なことが起きた時には「居場所」に戻って体力を回復し、また外の世界に挑むことができる。そんな安全基地のような、エネルギーの充電基地のような「居場所」を創りたいという夢です。
そのために、様々な居場所に参加させていただいたり、心理学の勉強をしたりしながら、居場所づくりの空想をしていました。
サードプレイス=居場所
家庭(ファーストプレイス)や、職場・学校(セカンドプレイス)などの責任から解放された第三の居場所をサードプレイスと言います。
それぞれが、自分らしくリラックスして居られる場所。遊び心と、会話があり、人や地域とつながることができる場所です。
精神科医山本昌知さんは著書「人薬」の中で、人との関係は薬になり得る。
温かい関心を向けられること、差し出したSOSに対応してくれる人が居ることで、人は自由な自分を取り戻していくことができるのだと言われています。
これを読んだときに私は、「居場所」こそ「人薬」に出会うための場所だと感じました。ひきこもりや生きづらさを抱え、人や社会とつながることが難しくなっている方が参加しやすいように環境を整え、待っている人が居る場所です。
日野市には、そんな場所を創ろうとしている匠(支援者)がいました。そして、空き家を貸してくださる協力者もいました。私たちはその人たちと出会って、つながりながら、居場所「たきあいあい」が生まれたのです。令和6年には「みらいと高幡」も誕生しました。
また、市内には「みんなの居場所いっぷく」や「ドレミの部屋」といった、ひきこもり当事者や、支援団体が開催している居場所もあります。とても個性的でそれぞれの良さを持った居場所です。さらに、居場所を運営する人たちが情報交換したり、話し合う場もあり、生きづらさを抱える方が自分にあった居場所を探せるようにと「居場所MAP」も創られています。
新たな居場所「ひきこもりUX女子会」
ひきこもりの調査では男女の数は同じくらいなのですが、実際の居場所では参加者の7~8割が男性です。
しかし、家事、育児、介護といった役割を多く担ってきた女性は、他者との関係が閉ざされ、生きづらさを感じても声をあげづらく、支援につながりにくい状況にあります。また、男性が苦手という方も多く、居場所に参加できないという声もありました。この状況を解決したいと思い、R6年度からは、ひきこもりUX会議といくつかの区市が連携して開催している「ひきこもりUX女子会」の輪に、日野市も加わることにしました。
「ひきこもりUX女子会」は、ひきこもり状態にあったり、対人関係の難しさを感じているなど、さまざまな生きづらさを抱えている女性自認の方を対象にした当事者会で、体験談をきいたり、交流をしたりする場です。
女性だけで集いたい、周囲の人に知られたくない、住んでいる地域では参加できないという方がおり、それらを叶えられる活動であると思います。
参加してみて感じたのは、参加者への思いがたくさん詰め込まれた運営であることです。会に参加する人から離れてちょっと一息つける「非交流スペース」スタッフの服装も参加者の方に安心感を感じていただけるよう工夫したり、挨拶する際の言葉も圧迫感がないように気を付けてお声掛けします。
そうやって開催する女子会は、参加される方々がこの機会をとても楽しみにされていて、電車や、新幹線、ときには飛行機に乗っていらっしゃいます。
それぞれが「こんな状態にあるのは自分だけではないか」「なんとか立ち直るきっかけをつかみたい」等と、辛さを抱えながら交流し「ひとりではない」と思える貴重な場になっています。
日野市での開催
開催日 :令和6年12月1日(日) 14時~
開催場所:日野市平山交流センター 3階大ホール
※詳細はホームページをご覧ください。
ここまで読んでくださったあなた。
あなたは「サードプレイス」をもっていますか?それはどこですか?
すべての人が、ひとりの時間もみんなで居る時も、のびのびと自由な自分で居られる、安全基地であるサードプレイスを持つことができたら素敵。
同じ志を持つ人達とともに、ひとつひとつ、そんな場所を創っていきたいと思います。